第4回GMHS事例発表「IT企業のメンタルヘルスケア~脳教育プログラム適用事例」

2017年8月5日 京都大学で開催された「第4回グローバルメンタルヘルスセミナー」での事例発表

「IT企業のメンタルヘルスケア~脳教育プログラム適用事例」 川崎幸子

 

 

私はブレイントレーナーとして、 会社、 施設、専門学校などでブレイン体操、ブレイン瞑想、へそヒーリングなどの脳教育トレーニングの指導と脳教育の講義をしています。たくさんの方が健康に関心がありますが、企業での健康の問題、特にメンタルヘルスの対策にみなさん非常に力を入れているところだと感じています。それで、脳教育プログラムが企業のメンタルヘルスケアのためにどんな効果があるのか、脳教育プログラムを適用した事例を発表させて頂きます。

 
まず、平成25年厚生労働省が行った労働安全衛生調査で、IT企業のメンタルヘルスの状況をみてみましょう。

青は全ての業種・赤は情報通信業です。上から、強い不安・悩み・ストレスがあるという項目において、全業種から見てもIT企業、情報通信業のストレス度は高いことが分かります。そのストレスを更に詳しく見てみると、役割・地位の変化、事故や災害の体験については情報通信業は割合が低いですが、仕事の質と量、対人関係、仕事の失敗、責任の発生などは、赤の情報通信業のストレス度が高いことが分かります。

 
このようにパソコンに向かって同じ姿勢で大量の情報を扱っている仕事をすることが多いことでストレスが多くなってしまいがちなIT企業では、この問題にどのように取り組んでいるのでしょうか?
Googleでは、ストレスの軽減、脳の活性化、チームワークや生産性の向上、創造性の発揮のために10年ほど前から企業研修として瞑想プログラムを導入しています。その他、アップル、インテル、IBM、アメリカヤフーなども瞑想プログラムを導入しています。

 
どうして優秀なIT企業は瞑想を研修に取り入れるのでしょうか?

 
瞑想はストレス管理に効果的だからです。瞑想をしていないグループより、瞑想したグループの方がストレスが少なくなっています。また、瞑想で肯定的な感情状態へ誘導することによって、脳の前頭葉・側頭葉の厚みが変化しました。写真のオレンジと黄色の部分が厚くなったところです。前頭葉・側頭葉の機能である注意力、記憶力、感情の調節力に効果があることが分かりました。

 
このような効果的な、瞑想状態とは、どんな状態をいうのでしょうか。それが水昇火降すいしょうかこう(頭寒足熱)の状態です。

 
私たちの内臓には陰陽五行でいう木・火・土・金・水のエネルギーをそれぞれの内臓が司っており、心臓の火のエネルギーが丹田(下腹)に降り、お腹を温め、温められた腎臓の水のエネルギーが水蒸気のように上に上がり、頭が涼しい状態の時、効果的な瞑想ができます。この水昇火降の状態を作り出すトレーニングが脳教育トレーニングです。約360種類のブレイン体操は全身のエネルギーバランスを整え、本来の健康状態である水昇火降状態を作ってくれます。国際脳教育協会の李承憲会長は39年間どうすればだれでも簡単に 水昇火降の状態になるのかを研究し続けて開発された、最新のブレイン体操のひとつがへそヒーリング・へそ瞑想というものです。おへそをリズミカルに押して、血液循環を促して脳と腸をリフレッシュします。とても短時間で効果があるのが特徴です。そして、呼吸を感じながら意識を現在に留まるようにし、考えが止まることで瞑想することができます。

 
へそヒーリング瞑想に対する、国際脳教育総合大学院大学の、シン・ヘスク教授の研究-チームの研究結果が学術誌「ストレス研究」に掲載されていますので紹介します。へそヒーリング瞑想Belly Button Meditasion(BBM)がビジネスパーソンのストレス反応と頭痛、不眠、消化、心臓疾患などの身体症状を緩和し、仕事の集中力を高めるという研究結果です。

 
へそヒーリング瞑想をした実験群、体操だけした対照群、何もしていない統制群で実験しました。

では、グラフをご覧ください。3種類の棒があります。左の黒い棒が、へそヒーリング瞑想をした実験群ですが、対照群と統制群よりもストレス反応の平均値が有意に低いという結果が現れました。

 
頭痛、不眠、消化、心臓疾患の症状などの身体的症状の面においても実験群が対照群と統制群よりも平均値が有意に低く現れました。

 
仕事の集中度においてもへそヒーリング瞑想をした実験群が対照群と統制群よりも平均値が有意に高いという結果が現れました。

 
この興味深い結果から日本でも企業に瞑想を取り入れる動きがありました。IT企業の社員159人に脳教育プログラムを適用してみました。実施したプログラムはブレイン体操、へそヒーリング、呼吸瞑想で、前後にアンケートを頂きました。自分の心やメンタル状態が位置するところに印をつけて、脳教育プログラム実施後にまたつけて、その変化を矢印で結んでみました。

 
その結果、肯定的 83.5%、否定的 0%、リラックス、覚醒という心の状態の変化が見られました。

 
集中力の変化を見るために ブレインコンディションテストを実施しました。

 
体験前に20秒間ランダムで書かれたたくさんの文字の中で特定の文字を探してから、体験後も前と違うパターンのランダム文字の中で、同じように20秒で特定の文字を探すことで集中力をテストしました。その結果、前後比べて探した文字の数が10個以上増えた人が37.3%で、変化なしと不明以外の90.5%の方に集中力の向上が見られました。

 
実施後のアンケート結果は、94.3%の方が満足と答えてくださいました。

 
身体の変化としては、身体が温かくなった、体の緊張がほぐれた、頭がすっきりした、柔軟性がUPしたという反応が多く、呼吸が楽になったと感じる方もいました。
 

心の変化としては、リラックス、気分転換が一番多く、心が穏やかになった、明るい気持ちになった、前向きになったなど、良い変化を感じられました。

 
時間に追われることが多い世の中ですが、企業でも自分自身に使う時間をとって頂き、集中力、創造力、コミュニケーション能力を通して業績UPにつないで頂きたいです。この脳教育プログラムを仕事場に取り入れることによって、社員ひとりひとりの健康やストレス解消、ポジティブマインド、リラックス、集中力アップなどの良い効果がもたらされると思います。これが、どんな企業でも追求している、社員の福祉、効率UP、生産性向上につながっていくと思います。これからも皆様のメンタルヘルスケアに全力を尽くしていきたいと思います。ご清聴、ありがとうございました。